01-007 地者高下広狭遠近険易死生也

原文比較

独見
独見

地者、高下、廣陜、遠近、險易、死生也
地とは、高地低地(窪地)、広い狭い、遠い近い、険しさ(険阻)易しさ(平地)、死地と生地である。

竹簡
竹簡

地者高下廣陜遠近險易死生也

地者とは、高下、広狭、遠近、険易、死生なり

古文孫子
古文孫子

地者広狭遠近険易死生也
地とは、広狭、遠近、険易、生死なり

魏武注孫子
魏武注孫子
地者広狭遠近険易死生也
地とは、広狭、遠近、険易、生死なり
孫子略解 - 中國哲學書電子化計劃
宋本十一家注
宋本十一家注
地者遠近険易広狭死生也
地とは、遠近、険易、広狭、死生なり
地とは、遠い近い、険しさ易しさ、広い狭い、死と生である。
十一家注孫子 - 中國哲學書電子化計劃
竹簡には高下があり、
字・・・漢字の解説
兵 - 中國哲學書電子化計劃

(字典へのリンク。複数になる場合もあり)
不明瞭

地とは戦場の地形のことであり、高下、遠近、険易、広狭、死生の6つの要素から成ります。

高下とは、地形の高低の起伏のことです。高地に立てば遠くを望見でき、低地では視界が遮られます。

遠近とは、戦場までの距離のことです。遠ければ兵を疲労させ、近ければ機会を失いがちです。

険易とは、地形の険しさ易しさのことです。険しければ防御に有利ですが、攻撃は困難となります。

広狭とは、戦場の広さ狭さのことです。広ければ兵を自在に運べますが、狭ければ行動が制限されます。

死生とは、その地で戦えば生き残れるか死すべきかのことです。有利な地なら生き、不利な地なら死に至ります。

これら6つの要素を熟知し、自在に活用できれば、必ず勝利を収められます。逆に無視すれば、敗北は避けられません。

地の利を得るために、高下遠近険易広狭死生を慎重に見定め、最善の戦場を選ばねばなりません。これが善く戦う者の基本中の基本であります。

註釈

魏武注孫子
魏武注孫子

地者逺近險易廣狹死生也
曹操曰:言以九地形勢不同,因時制利也。論在《九地》篇中。

  • 曹操が説く:言うところの九地とは、地形の状況が異なる(同じでない)ことを指す。時を頼りに利を制するのである。これは《九地篇》の中で論じられている。
宋本十一家注
宋本十一家注

地者逺近險易廣狹死生也

  • 曹操曰:言以九地形勢不同,因時制利也。論在《九地篇》中
    曹操が説く:言うところの九地とは、地形の状況が異なる(同じでない)ことを指す。時を頼りに利を制するのである。これは《九地篇》の中で論じられている。
  • 李筌曰:得形勢之地,有死生之勢。
    李筌が説く:形勢に適した地を得れば、生死を制する勢いがある。
  • 梅堯臣曰:知形勢之利害。
    梅堯臣が説く:形勢の利害を知ることである。
  • 張預曰:凡用兵,貴先知地形。知逺近,則能為迂直之計;知險易,則能審步騎之利;知廣狹,則能度衆寡之用;知死生,則能識戰散之勢也。
    張預が説く:だいたい軍を用いるに当たっては、まず地形を知ることが貴重である。遠近を知れば、迂直の計算ができる。険易を知れば、步騎の有利さを審らかに判断できる。広狭を知れば、兵の多少の用い方を度ることができる。死生を知れば、戦闘に勝ち残るか散り散りになるかの勢いを見極められるのである。

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