01-002 死生之地存亡之道不可不察也

原文比較

独見
独見

死生之地存亡之道不可不察也
死生の地存亡の道察せざるべからざるや
生きるか死ぬかの分かれ目となるとともに本質であり、国の存立または滅亡へと導くのことになるから、その重要性を十分に認識し、慎重に対処しなければならない。

竹簡
竹簡

死生之地存亡之道不可不察也

死生の地存亡の道察せざるべからざるや

古文孫子
古文孫子

死生之地存亡之道不可不察焉

死生の地存亡の道察せざるべからざるや

魏武注孫子
魏武注孫子

死生之地,存亡之道,不可不察也。
死生の地,存亡の道,察せざるべからざるや

宋本十一家注
宋本十一家注

死生之地,存亡之道,不可不察也。

死生の地,存亡の道,察せざるべからざるや

生きるか死ぬかの分かれ目で、存立または滅亡へと導くのだから、見過ごしてはいけない。

 

孫子略解 : 孫子略解 - 中國哲學書電子化計劃
古文孫子には文末が「焉」、竹簡・魏武注は「也」となっています。
道・・・「導く」のほか「妙用」の意味もありましたが、ここは前者で。
道 - 中國哲學書電子化計劃
焉・・・「成」と同じ断定の意味を表す助詞ととります。
焉 - 中國哲學書電子化計劃
生きるか死ぬかの本質であり、それを制することが国家存亡の鍵となる。だからこそ戦場の要衝地を制することが生死を分ける鍵となるから、熟視し見極めることが絶対に必要不可欠である。

註釈

魏武注孫子
魏武注孫子

魏武注なし

宋本十一家注
宋本十一家注

死生之地,存亡之道,不可不察也。

  • 李筌曰:兵者凶器,死生、存亡繫於此矣,是以重之,恐人輕行者也。
    戦さは凶器、生きるか死ぬか、存続か滅亡かに繋がる、このように重要なことであるため、人が軽率に行動することを恐れ慎むのです
  • 杜牧曰:國之存亡,人之死生,皆由於兵,故須審察也。
    国の存亡、人の生死はすべて兵に由来するから詳しく調べる必要がある。
  • 賈林曰:地,猶所也,亦謂陳師、振旅、戰陳之地。得其利則生,失其便則死,故曰死生之地。
    地は所に同じ、・その利を得られれば生きることができ、その便を失えば死ぬことになる。だから死生の地という。
    道者,權機立勝之道。得之則存,失之則亡,故曰不可不察也。
    道とは、機会を逃さなければ勝利へと導く。これを得れば存続し、これを失えば滅亡する。だから見過ごしてはいけないと言っている。
    《書》曰:「有存道者,輔而固之;有亡道者,推而亡之。」
    国を守り抜く正しい方策があれば、それに全力で取り組み、確実に実行に移すべきである。国を危機に陥れるような有害な政策があれば、それを押し退け、断固として排除しなければならない。
  • 梅堯臣曰:地有死生之勢,戰有存亡之道。
    土地には生死を分ける力があり、戦いには国家の存亡がかかっており、戦場における生死を分けることが重要である。
  • 王晳曰:兵舉,則死生、存亡繫之。
    兵を挙げる(戦をする)ことは生死や国家の存亡に繋がる。
  • 張預曰:民之死生兆於此,則國之存亡見於彼。
    民の生死は前兆となり、つまり国の存亡がそこに見える
    然死生曰地、存亡曰道者,以死生在勝負之地,而存亡繫得失之道也,得不重慎審察乎?
    死生は地に関わり、存亡は道に関わる。死生は戦いの場で決まり、存亡は得失の道にかかっている。このことを十分慎重に考えなければならない
十一家注孫子 : 十一家注孫子一 - 中國哲學書電子化計劃
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