01-001 孫子曰兵者國之大事也

原文比較

独見
独見

孫子曰兵者國之大事也
孫子曰く兵は國の大事なり
孫子が説く、軍事というものは領地を守るために大事なことである

竹簡
竹簡

孫子曰兵者國之大事也

(孫子)曰く兵は國の大事なり

古文孫子
古文孫子

孫子曰兵者國之大事也
孫子曰く兵は國の大事なり

魏武注孫子
魏武注孫子

孫子曰:兵者,國之大事
孫子曰く:兵は、國の大事

宋本十一家注
宋本十一家注
孫子曰:兵者,國之大事
孫子曰く:兵は、國の大事
竹簡には冒頭の「孫子」と考えられる部分が欠損しています。
他のテキストを見る限り、この部分は「孫子」で良いと考えます。
竹簡・古文孫子には文末に「成」がありますが、魏武注孫子と宋本十一家注にはありません。
六韜 龍韜 論將「故兵者、國之大事(,存亡之道)」
群書治要 卷三十一 六韜 武韜「故兵者,國之大器(,存亡之事)」
兵・・・「兵士」「軍事」「戦い(いくさ)」「戦術」など意味合いが違ってきます。
計篇には「兵勝成」「兵衆」「兵者詭道也」「此兵之勝」が登場し、その意味を鑑みて「軍事」をとります。
兵 - 中國哲學書電子化計劃
國・・・戈(ほこ)と口(城郭)と一(地)との合字「或」で四方の城郭境地を戈で守ることを意味します。後に外側に四方の境界「口(くにがまえ)」が加わって「國」となったとあります。
「領地を守る」は好戦よりも守勢に基づいた考えです。
國 - 中國哲學書電子化計劃

或 - 中國哲學書電子化計劃
竹簡冒頭の「孫子」が欠損し補完していますが、そもそも自分で書く文に「孫子」って書くかなというのが本音です。

この言葉は、兵を重んずべきことを説いた、吾が兵法の根本的な教えであります。

「兵者國之大事也」とは、兵力の存在こそが国家にとって最重大事であると述べているのであります。

国を守り、民を護るためには、強大な兵力を有することが不可欠なのです。兵力なくしては、国土は外敵に簡単に侵され、民は虐げられるでしょう。

しかしながら、兵を軽んずれば、やがては国力は衰え、滅亡の危機に瀕するでしょう。故に、賢明な君主は常に兵を重んじ、その鍛錬と強化に努めねばなりません。

兵を国の大事と心得、その充実に怠りなく注力することこそが、国家の安全と繁栄を守る最善の方策なのであります。

ただし、兵を濫用し軽々に戦争を起こすようでは、かえって国力を損ね、民を苦しめる結果となります。賢明な君主は、兵を用いるべきか否かを慎重に見極めるべきなのです。

つまり、兵を重んずるが故に、無暗に戦を好むべきではありません。平和を尊び、戦争は最後の手段と心得るべきなのであります。

註釈

魏武注孫子
魏武注孫子

魏武注なし

宋本十一家注
宋本十一家注

孫子曰:兵者,國之大事

  • 杜牧曰:《傳》曰:「國之大事,在祀與戎。」
    杜牧曰く:《傳》曰く「國の大事は、祀と戎に在り。」
    杜牧が説く、傳に「国の重大な事柄は、祭祀と軍事にある」と説かれている
  • 張預曰:國之安危在兵。故講武練兵,實先務也。
    張預曰く:國の安危は兵に在り。故に武を講じ兵を練する,先ず實を務むる也。
    張預が説く、国の安全と危機は軍事にある。だから武術を講じ兵を訓練する(軍事訓練や武術の修練を重視し、常に戦いに備える態勢を整える)ことは、実に最優先の事業である
十一家注孫子 : 十一家注孫子一 - 中國哲學書電子化計劃
不明瞭

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